2024年4月1日遊漁船業法が改正し、これまで何十年も釣り人から愛されてきた「沖堤防の釣り」に一部罰則が科せられることになりました。
これを受け福島県いわき市も同様「渡船」を営んでいる業者の方や釣り人から悲しみの声が多数あります。
私が住む福島県では小名浜港から渡船を利用し、沖堤防の釣りを楽しむ方がたくさんいました。
沖堤防では大型のヒラメやアイナメ、伊勢海老などを釣ることが出来ます。
そのため、釣り人から大変人気がある釣り場所でした。
伊勢海老が沢山釣れるなんて夢のようですよね。
ただでさえ釣り場が減ってきているのに、沖堤防でも釣りが出来ないとなると、とても残念です。
全国には一部認められている場所もあります。
実際どういった場所が沖堤防からの釣りがOKで、NG場所はどこなのでしょうか?
法改正した内容を見ていきましょう↓
渡船禁止?福島県いわき市小名浜港含む
引用:水産庁
2024年4月1日遊漁船業法改正のパンフレットによると「立入禁止の場所に案内しない」とあります。
ん??そもそも立入禁止の場所は入っちゃダメでしょ。
と、思うかもしれませんが、立入禁止と書かれた沖堤防等の場所=(イコール)危ない場所でも以前は注意喚起程度で了承されていたのですね。
釣り人から大変人気がある場所だったからでしょうか?ある意味今までは自己責任という事でした。
ちなみに、沖堤防とはその名の通り、岸から直接行くことができない、沖にある防波堤のことを言います。
沖にある防波堤=沖堤防。
本来の役割は、大波が沿岸に打ち寄せるのを抑えるために作られたものです。
そのため、沖堤防では潮の当たりが良く大きな魚や様々な魚種を釣ることが出来るので釣り人からはとても愛されており、釣り文化の一つとなっていました。
沖堤防は全国各地の沿岸沖に点在しており、釣り場としても近隣の船着き場などから渡船で渡ることができました。
かねてから心配はされていましたが、いよいよ執行となり釣り人からは悲しみの声が続出しているようです。
渡船業を営む業者さんもかなりの痛手になるのではないでしょうか。
福島県いわき市小名浜港にある渡船業者さんへ問い合わせをしたところ、周りの同業者さんも現在は渡船を辞めているらしく、理由としては遊漁船業法の改正はもちろんですが、沖堤防に上がったお客様は「不法侵入」扱いになるそうで、「お客様に前科を付けてしまうようなことは出来ない」とキッパリ話してくれました。
※2024年8月20日情報更新→緩和措置が取られたそうで2024年10月までは渡船が可能という情報がはいりました。
渡船は、「沖堤防」へ行ける一つの方法です。渡船を営む業者さんへ沖堤防で釣りをしたい日を予約し料金を支払って連れて行ってもらうシステムです。海を知り尽くしている地元の方に船を出してもらうので安心感もありました。
渡船とは?
「渡船」とは、とせんやわたしぶねと呼ばれ、釣り人を沖に渡したり、岸と岸を行き来する船の事を呼びます。
釣り人からは沖にある堤防へ行く手段として古くから利用されてきました。
また、渡船の歴史は江戸時代の頃から始まり、比較的距離の短い航路を荷物を乗せて運んだり、庶民の交通の一つとして使われてきました。
今でも川や運河に囲まれた大阪の大正区では8ヵ所の渡船場があり、市民の交通の手段に利用されています。
利用の仕方としては、川の向こう岸に渡りたい時など数分で川を渡り切れるので一番の近道のようです。
渡船に乗り会社へ出勤したり、自転車ごと乗せて買い物や学校へ行く姿は馴染みのない私からするとちょっと憧れます♪イタリアの水の都「フィレンツェ」のようですね。
道路と同じ認識なので料金はかからず無料との事です!
ちなみに、航路の長いものはフェリーと呼ばれます。
二種類の呼び方で使い分けされるのは日本だけみたいですね。
沖に渡すことを「沖渡する」おきわたしすると言う地域もあるそうです。
渡船禁止の理由
さて、今まで「立入禁止」の場所で釣りする事を容認してきたのに今更?とも思えるような法改正ですが、なぜこのタイミングなのでしょうか?
その理由としてはやはり、近年遊漁船業における死傷者数が増加している傾向にあるからだそうです。
釣り人口が増加しているからでしょうか?
私の地元福島県いわき市の小名浜港でもここ数年は毎年5月頃から9月頃までの堤防は釣り人でいっぱいになっています。
釣り人口が増加し、渡船利用者も増え、死傷者数も増えたという事でしょうか。
命を守るためには苦渋の決断だったのかもしれませんね。
引用:水産庁
とは言え、全国では何十年と渡船で生計を立ててきた方も多く、救命胴衣着用必須と安全に配慮しながら営んでいた業者も沢山おります。
以前は、沖堤防で釣りが出来る事が一つの観光となり、観光マップにも記載があるほどでした。
それほど渡船業で収入を得てきた業者にとってはとても苦しい改正になることは間違いないでしょう。
この改正を受けて廃業をせざる負えない業者もいるのではないでしょうか。
また、釣具店にも影響があると考えられます。
渡船復活にはならないのか?
渡船復活を期待する声が全国から数多くあると思いますが、2024年現在福島県では署名活動を行っているそうです。
全国各地でも同じような署名活動が広がっているのではないでしょうか。
ちなみに、以前大阪湾では一部立入禁止をしない区域を作っていたようです。
(大阪港湾局・計画整備部 内谷一也課長)
「自己責任の上で釣りを認めてほしいとか、一定のルールを決めて釣りをしてほしいというのが大半の意見としてございました。安全性が確保できるところにつきましては、救命浮環とか縄梯子、注意看板を設置した上で、一部『立入りを禁止しない区域』を指定しております」
※大阪港湾局の状況が法改正を受けた後2024年現在も同じなのかは分かりません。
まとめ
沖堤防での釣りは本当に魅力的で、沖堤防の釣りをこよなく愛する釣り人は沢山いる他、釣具店や渡船業者からも復活の声は多々ある事でしょう。
ですが、年々死者数や事故が増えていることは事実。
渡船業も廃業ともなれば命に係わりかねませんが、難しいところですね。
最後に、渡船ではないですが、大物を狙いたい人向けにお得な船情報を見つけました!
少し足を延ばして、鹿島灘での釣りはいかがでしょうか?
鹿島灘ではマダイ、ヤリイカ、スルメイカ、ムラサキイカ、ヒラメ、ショウサイフグなどが釣れるそうです。
「ふるさと納税」で利用補助券がもらえるので、お得かと思います。
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